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忘れられないV6のこと

私には忘れることのできない記憶がある。

2004年12月24日に放送された「ミュージックステーションクリスマススーパーライブ」にて、V6が歌った「ありがとうのうた」だ。


イントロが流れてくるや否や、彼らの温かく和やかな雰囲気に会場全体が一気にV6色に染まった。

V6と言えばダンスを連想させるが、この時はパフォーマンスにダンスは取り入れず椅子に座ってのパフォーマンスだった。
元々振り付けはあったが、タイトル通りメッセージ性の強いミディアムバラードで、全員にしっかりとソロが振り分けられている楽曲だったため、椅子に座ってのパフォーマンスに変更したのかもしれない。

当時は「Darling」で岡田さんが長野さんの肩の上からバク宙をするなど、激しいアクロバットを取り入れていたので、いつもの雰囲気とは違ったV6に驚いた。

また、原曲にはないアレンジが施されており、坂本さんと長野さんのコーラスがとても心地よい。
盛り上がりがピークになる最後のサビ直前に、一呼吸おいて最後のサビへと繋がる何とも言えない空間に感動したことをよく覚えている。

座って歌っているだけなのに、歌い方や表情一つでこんなにも会場全体を和やかにするV6って凄い。
V6ってこんなグループだったんだと衝撃を受けた。

後日、なぜ、彼らがあんなにも温かい笑みを零し、互いに視線を交わし合いながら歌っていたのか、その理由を知った。

実は井ノ原さんが本番前に、「今日はソロを俺のためだけに歌ってくれ!」とメンバーに煽っていたのだ。

そして本番、そこには井ノ原さんの注文を素直に受け入れたV6がいた。

歌いながら微笑む者もいれば歌い終わった後に微笑む者、煽られて微笑む者など様々だったが、彼らが微笑む視線の先には確かに井ノ原さんがいた。

いつもの何気ないジョークで、「今日はソロを俺のためだけに歌ってくれ!」と言っただけなのに、揃いも揃って素直に井ノ原さんに向けて歌う5人と、そんな5人の気持ちをしっかりと受け止め、誰よりも微笑む井ノ原さんがそこにいたのだ。

その温かく和やかな雰囲気は彼らだけの空間ではなく、会場全体や視聴者までをも優しい気持ちにさせてくれた。

あれから12年、当時と変わらないV6が今もここにいる。

「V6ってどんなグループですか?」と聞かれれば、私は迷わずこの時の話をするだろう。

「お調子者のジョークを容易く受け入れる素直な5人と、その温かく和やかな雰囲気を周りにも伝染させる、そんなグループだよ」と。